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『ま゜』

第9章 脱出

 音子の体が、ワサワサと変化をはじめた。

 音子は満月でなくても、満月ポンだけでも変身できる。

“はいっ! ここのシステム故障しても、他の部屋の画面から出入り出来ますですぅっ!!”

「はい、素直でよろしい」

 ゲームの神の耳を引っ張りながら、光の無い部屋を移動する。

「こが、画面のある部屋ね」

 そこはキーボードではなく、十字キーと複数のボタンがあるコントローラーがあった。

 ゲームの神が、コントローラーを手に取ると、ものの3分で、水戸さんとメカ水戸さんが移動してきた。

「よかったぁ~~、でも、変ね。コンピューターウイルスで、あのゲームにバグが起きてくるったのでしょ? なぜ、向こうの部屋では動かなくなって、こっちでは動くのよ」

“この部屋の画面は、いま、起動させたんじゃ。だから、まだウイルスには感染していない”

「それだけで、なんとかなるんだ……」

“さあ、もうみんな画面から出したんじゃ。さっさと帰ってもらおうか”

「ちょっと待った!」

 音子は、ゲームの神の首を爪を立てて掴む。

“イタタタ、なにをする!?”

「なにをする……じゃないの。あんた、まだなにかを隠してるでしょ」

“なにもない”

「本当に? もし、なにか隠してるとしたら、その首、思いっきり噛み付いていいかしら」 

“隠してます、すいません”

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