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『ま゜』

第9章 脱出

「ギャーーッ!!」

 子供達は悲鳴を上げ、震えながら隅っこに固まって泣きわめく。

 それもそのはず。

 ゾンビに狼人間に、怪しいロボットが入ってくれば、誰だって悲鳴を上げる。

 ゲームの神が近寄り、“ほらほら、大丈夫。見た目は怖いけど、なにもしないから安心してね”と宥める。

「いや、立場が逆なんだけど、今なら、仕方がないわ」と音子は水戸さんと顔を合わせる。

「でも、これでわかった。最近、子供が突然いなくなる事件が起こってるの……犯人はゲームの神、あんただったのね」

“もう、神戸港殺人事件のゲームは終わったはずじゃ”

「そっちの推理じゃないわよ。私、ここに来る前、テレビのニュースで、子供が部屋にいて突然いなくなる事件がいま、7件ほどあるって。そりゃ、ここにいたんじゃ、見付からないわ」

“いや……待て、私は……”

「子供達を、元の家に帰してあげて」

“むむむ……”

「さぁ、みんなお家に帰ろう」と音子が近寄ると、さらに悲鳴が。

 音子は、人間の姿に戻る途中経過だった。

『か*せ^い"ふ(私にまかせて)』と水戸さんが、前に出る。

「え? なんて言ったの?」

 水戸さんは携帯電話を出して、文字を打った。

「任せてって、なにをするの?」

 水戸さんは、メカ水戸さんにゲームの神を呼んでくれと頼んだ。

『モシモシ、カミヨ。カミサンヨ』

“わしを亀みたいに呼ぶな。なに”

『コノ子タチハ、ナニカ食ベテマスカ?』

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