テキストサイズ

『ま゜』

第1章 に゛

 そして、携帯電話の画面を、メールの文字入力画面にすると、なにやら打ちはじめた。

 打ち終わると、画面を羊に向ける。


《申し訳ございません。泊まりや住み込みでの勤務は、諸事情によりお断りさせていただいてるのです。よろしければ、メカが代わりに来ますが……》

 羊は画面に目を通すと、「メカ水戸さんかぁ……まあ、よくやってくれるから、その間くらいは、お願いしてもいいかな」

 メカ水戸とは、水戸さんの家政婦の知識、能力と、特徴をあわせ持つアンドロイドで、変形出来る乗り物によって、4タイプがある。

 水戸さんは、また文字を打つ。

《セグウェイ、バイク、バギー、飛行機、どれにいたします?》

「セグウェイでいいよ……いや、家政婦を選んでる気がしないわ。てか、バギーや飛行機もあるんかい!」

 それを聞いて、紗知がはしゃぎだす。

「うわぁー! メカ水戸さん来るんだぁ! 楽しみぃ~♪ 変形するところ格好いいんだよね。水戸さんは変形しないの?」と冗談で聞いてみた。

 水戸さんは自分の首の関節をはずすと、1回ねじって亀のように押し込もうとした。

 慌てて羊が、止めに入る。
 
「水戸さん水戸さん、無理無理無理無理!! 紗知、やめろ! 言うんじゃない! 水戸さんは無理にでもやる人なんだから!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ