無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　水戸さんは首を定位置に戻すと、携帯電話に文字を打った。

《申し訳ございません。メカ達に対して嫉妬してしまいました》

　羊はそれを読むと、「いやいや、メカ水戸さん達はメカ水戸さんなりのいいところがあって、水戸さんには、水戸さんしかない、いいところがあるんだよ。それに、水戸さんが、体ぐちゃぐちゃにしてセグウェイになってるところなんて、見たくないからね」と自分でも、フォローになっているのかどうかわからないことを言った。

『ぶぃ゜（ありがとうございます）』

　マフィンを１つ食べ終えた紗知は、水戸さんの手を引いた。

「美味しかった、ごちそうさまぁ～。ねぇ、水戸さん、私の部屋で遊ぼうよ」

「おい、紗知、あまり水戸さんに無理を言うんじゃないぞ。我が家のことをいろいろやってくれてるんだから、たまには休憩も必要だろ」と羊が言うと、水戸さんは携帯電話を打ちはじめた。

《お気遣い、ありがとうございます。私としては、紗知様のお相手も、楽しい休息です。私、紗知様のこと、大好きですからかまいませんよ》　

「……ふむ、まあ、水戸さんがそれでいいって言うなら」

「いえーい、やったー！！　水戸さん、いこいこ」と紗知は、水戸さんの背中を押し、自分の部屋まで誘導する。

　その様子を、見て羊が言った。

「ちょ、ちょっと！　水戸さん、頭が斜めに項垂れてるよ！！」