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『ま゜』

第5章 神戸港連続殺人事件

 水戸さんと音子の気持ちが整ったところで、ゲームがスタート。

“よいか、このゲームは、今までのように、キャラが死ねばゲームオーバーというものではない。犯人を見付けてクリアか、この世界オリジナルルールとして、マサ自身がこのボスはダメだとなったらアウトだ”

「なるほど、だったらちゃちゃっと、捜査いたしますか」と音子は周りを見渡した。

 なぜか、場所が警察署に変わった。

「あ、変わった。なるほど、ここからスタートなのね」

 マサが、「ボス、さっそく事件です」と言って、現れた。

 音子が、マサの話を聞いている間に、水戸さんは他のことを考えていた。

(このゲームで、キャラが大きくなるを選んだら、意味ないわよね)

 ゲーム内容とは関係なかった。

「水戸さん、鐘望財閥の主が、殺害されたって。場所は、鐘望邸のリビングだ。このペラッペラなやつと行くよ」

 音子はあたかも自分が女刑事になったように、演技を入れて話し出した。

『ま゜』


 ゲームのいいところは、行きたい場所に、すぐ背景が変わるところだ。 

 あっという間に、事件現場のリビングについた。

 10帖ほどの部屋に、本棚と暖炉があり、テーブルの横に、遺体の縁取りが残されていた。

「ここが事件現場です。遺体はすでぬ鑑識に回されました。この部屋には窓がありますが、鍵はしまっていました。扉も内側から鍵がかかってました……つまり、この部屋は密室だったということです」

「ねぇ、水戸さん。このマサってやつ、私達の方を向かず、本棚に向かって喋ってる」

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