テキストサイズ

『ま゜』

第5章 神戸港連続殺人事件

「わかったぁーーっ!!」と音子が声を上げる。

『み"の゜(ほんとっ?)』

「ここの本棚の後ろを調べたら、ボタンがあるのよ」

 水戸さんが言われた通りに、本棚の後ろを探す。

「その役目は僕が……」とマサが前に出るが、「お前は黙っとれぃっ!!」と音子が一喝。

 マサは無を貫いたまま、立ち尽くす。

「マサ! すぐにお前の罪を暴いてやるよ!! 水戸さん、ボタンは?」

『な*い"(あった)』

「押して」

『ま゜』

 水戸さんは本棚の後ろにあった、赤いボタンを押した。

 すると、床に四角い穴が開いた。

『け*つ゜(わ! 穴が!)』

「ほらね。ここから外に出られるはず。つまり、これで密室の謎が解けた! それにマサ、あんたには、生き別れた妹がいるんでしょ!! その子は、ここね主が社長を務める会社の、社長秘書として雇われ、会社の不正を知ったその子を守るために、ここの主、つまり社長を殺害し、その後、犯人扱いされた川村も殺すのよね」

 水戸さんは、急いで携帯電話に文字を打つ。

《えええーーーっ!!》

「いや、あんた、そのくらい口で言えるでしょ!!」

「ちょっと待って下さい、ボス」とマサが詰め寄る。

「なにか? 私の推理に問題があるとでも?」

「僕が犯人だという、証拠が無いでしょ。名誉毀損ですよ」

「そう……ならば、上着を脱いで裸になりなさい」

 音子はマサに、服を脱げと命じる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ