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『ま゜』

第5章 神戸港連続殺人事件

「ちょっと待って下さい。なぜ、僕が……」

「犯人じゃないと言うのなら、脱げますよね」

 音子は腕組みをしながら、部屋の中を歩く。

「それに、この穴を見付けた時、マサ、あんた、ちょっとビクついたわね。ここから表に出られることを知られたからじゃないの? それに、今、探してもなにも変化は無いけど、話が進むと、この下の地下通路内に変化が現れる。そこに幻の部屋が出現する。私、このゲームやったことあるの。あなたは最終的に二人を殺害するの」

「ちょっと待って……僕はまだ、社長しか殺して……あ……」

 白状した。

「ほら、事件解決。ちなみに、あなたの左胸にはリボンのようなアザがあることも知ってるわ。水戸さん、クリアよ!」

 水戸さんは、頭をぐらんぐらんと揺らしながら、解決を喜ぶ。

「すいません、僕が殺害しました。しかも、これからもう一人殺害します」

 マサが上着を脱ぐ。たしかに、リボンに似たアザがあった。

“待てえええーーーっ!!”

 ゲームの神だ。

「ほら、クリアしたじゃない。どう?」と音子は、得意気に言った。

“いや、たしかに、最終的にはマサが犯人だよ。しかしだな、容疑者のアリバイやら、第2の事件やら、意外なイベントやらが残ったままで、しかもなんでリボン型のアザの情報がいきなり出てくるんだ!! 矛盾無視か!! 神戸港連続殺人事件で、神戸港も出てないし、連続殺人ちゃうがな!”

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