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『ま゜』

第6章 ツインベーから??

 フワフワと水戸さんは、ルーレットを見つめる。

“お主の後方に、ボーガンがある。私が合図をしてから、好きなタイミングでストップと言えば、矢が放たれ、表示されたゲーム名に刺さる仕組みだ” 

 地上に降りた水戸さんは、後ろを見た。

 まだ、空にいるのかと思わせるほどの、スカイブルーの景色が広がる中に、ポツリとボーガンが設置してある。

“あの、理解したか?”

 水戸さんは頷いた。

 ルーレットが回転をはじめる。

“じゃ、いこう。ボーガンの後ろにまわって、さぁ、言いなさい!”

 水戸さんは、ボーガンの後ろに立った。

“さあ、言いなさい!”

『そ゜(ストップ)』








 矢は、放たれなかった。

“……”

『……』

“いや……あの、悪かったね。からかったつもりはないから……”

 水戸さんは、手動でボーガンが射てないか、前に回って確かめる。

(製作ミスですか?)

“それですんだら、私に罪悪感は生まれない……本来ならストップと言えば……”

 矢が放たれた。

『ぶ゜(えっ!?)』

 矢と一緒に、水戸さんも飛んだ。

 矢は、水戸さんの口から後頭部を貫き、音の速さでルーレットに突き刺さる。

“えーーーっ!? えっ、えっ、えっ、えぇぇーーー!!”

 しかも、突き刺さったのは、スーパーアリオブラザーズとギャラクソアンのど真ん中の仕切りの線。

“なによ、この奇怪なミラクル!? え、それって有りですか? いや、有り得ないよね”

 ゲームの神も度重なる奇跡のような状況に、冷静さを失っていた。

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