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『ま゜』

第7章 ドラゴンウェスト

(主人公キャラは、名前が無いのですか?)

“まあ、そういう設定じゃ。だから、ゲームをするプレイヤーが名前を決める”

(名前が無いまま、そのキャラはどうやって生きてきたのでしょう?)

“あのね、もう折り入ったツッコミしたくないから、一言。これ、ゲームだからね。別にあなたがお母さんになって子供の名前をつけるわけじゃ、ないから。あなたが、お供する、キャラの名前をつけていいってことだから。わかる? とにかく、先に名前をつけて。ああああ以外で”

(YES I DO)

“わかってんのかい……”

 そして、水戸さんが名付けたキャラの名前が……


「わわわわ」

“待て!! それ、クロちゃんじゃねえか!!”

(ああああではダメだと……)

“いや、そう言ったけど……あるだろ他に!! なんで、一文字連呼な名前にするのっ! ゆうすけにするとか、トンヌラにするとか、あるだろ!!”

(トンヌラが許されるのなら、わわわわも許されますよね)

“ほらみろ、主人公が、勇者わわわわとして、王様に呼び出されてしまった。一度つけた名前はしょうがない。このままやれ”

(YES I DO) 

“それ、気にいったの?”

 まわりは、冷たそうな石の壁に囲まれ、意味もなく足踏みしている王様が、勇者にドラゴンキングを倒すための旅を命じていた。

“よいか、王様の話が終わって、勇者が動き出したら話しかけるのだ。そうすれば、ゲームスタートだ”

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