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『ま゜』

第8章 ドラゴンキングとの戦い

 水戸さんは上から下から、あらゆる方向に目を向けている。

「水戸さん、いま、そこは、コンピューターウイルスが感染しているとかで、こちらに戻れないらしいの」

 水戸さんは、画面の中で頭を傾げる。

「ちょっと、ゲームの神! なんとかならないの!!」

“やめろ、首は絞めないでくれぇ”

「あんたが、撒いた種でしょ!! 早く、こちらに水戸さんをもどしなさい。出ないと、その首をへし折るから」

“ぼ、暴力はやめろ。こんなババァ一人をいじめるな” 

「じゃ、ちょっとそこを退きなさい!!」

 キーボードの前に立つゲームの神を、音子は突き飛ばす。

「電源切ったり、リセットしたらどうなるの?」 

“2度と戻ってこなくなる”

「なによそれ……」

 なにかないか……音子は、キーボードを眺める。

「ん?」

 よく見ると、キーボードの隅になにか書いてある。

「武器……5倍……知人……なにこれ?」

“それは、人間が入ってきた時に、少しでも有利にゲームが進められるようにと、お助けのサービスだ”

「武器とか知人とかが? あ、そうか、知人を選んだから、私が来たんだ……」 

“さよう、武器を選んだ時は、なぜかロボットを呼び出しておった”

 音子はゲームの神の胸ぐらを掴んだ。

「ちょっと、武器を運べるようにしなさい」

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