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狸の詩~漢情~

第24章 天罰

混んだ新幹線で三人席の通路側に座れると必ず起きる悲劇。

真ん中が空いていて、女性がそこに座る。

座るまでの間目の前にはいい尻が。
たまらない、触りたい、撫で回したい。
でも駄目だ、地獄に堕ちる。

女性が座るまではほんの一瞬だが、永遠に思える程の苦しく長い時間である。
蛇の生殺し、拷問だ。

これは何かね天罰なのだろうか?
何で毎回毎回こんな苦しい目に。
仕事だって一生懸命にやってるのに何の天罰なんだ・・エロ過ぎることへの天罰、ワキチラやパンチラをチラ見したことへの天罰と言われたら納得するしかないか。女のコをオカズに使ったことへの天罰もあるのか・・

いや、これは修行、試練かも知れない。
煩悩を捨て去り、目の前に女性のお尻があっても何とも思わなくなるまで試練は続く・・死ぬまで終わらない試練だ。

欲望に負けて触ってしまったら試練も終わり人間から落第する厳しい試練だ。
苦しみもがきながらも落第はしていないので我ながら懸命に頑張っているな・・。

煩悩を捨て去るのが無理だからやはり天罰ということにしよう。
女のコをオカズにしたりワキチラやパンチラなんか見ないようにすれば天罰は終わる。


やっぱ絶対に無理だった。
死ぬまでずっと合格はできないから天罰も試練も一生続く。
合格はできなくても落第だけはしないように頑張ろう。

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