
触って、七瀬。ー青い冬ー
第19章 夢色の雨
歯を食いしばって待ち続けている
そう、その表情
もうこれ以上、近づくことができない
近づいてしまったら触れてしまう、そこに
胸を反らせて待っている
「っは…」
綺麗な顔が苦しそうに歪んでいる
それなのにまだ綺麗だ
手のひらをゆっくりと突起に近づける
人差し指がその後1ミリ横まで来ている
もう触れなくてもいいくらい、
触れたら壊れそうなくらい腫れているのに
触れていいのか、こんなに儚いのに
壊れてもいいと言っているように
待ちわびている熱い体
仕方ない、それほど欲しいなら
人差し指は突起をずる、と一度擦った
「あああっ…」
体はびくんと跳ねた
低い声が喜んだ
余程嬉しかったのか
睫毛の先が濡れている
ぴく、とまた揺れていた
次の刺激を待って
おかしい
やはりこの体はおかしい
こんなに敏感に反応するはずがないのだ
でも、その体は待っていた
もう一度、と
恐いくらいに貪欲で
その欲はおそらく身体の容量を軽く超えている
体が震え始めていた
「ん、ん…」
下唇を噛んでいた
触れてもいないのに、快感を覚えているようだ
やはりおかしい
やめた方がいい、やめておけ
今は少し落ち着くのを待って…
そう思いながら、また指先で肌を撫でていた
今度は人差し指と親指で、
挟んで擦る
「っは、あぁ」
一度ではなく
もう一度、強く。
「っあ、あっ…!」
甘い声が痺れる耳を刺激した
その声が媚薬みたいに脳を麻痺させる
「ふ、…んっ、っぁ」
また余韻が襲っているようだ
まさか、その顔がこんな風に乱れるなんて思いもしなかった
唇で首筋を撫でた
「は…、はあ…」
細い首
鎖骨
すー、と乳首に滑る
くちゅ、と突起を唇で包む
「んっんん」
舌で上下に擦って繰り返し
感覚がわからなくなるほど
「っひ…、あっ、んあっああ」
細い腰に巻かれたベルトに手をかけた
ただベルトをさするだけで、体は腰を浮かせた
「んん、ん」
外してほしいのか
まだ外さない
代わりにズボンの上から膨れていたそこに手を這わせた
「っう、あ」
体が固まった
文字通り、急所を突かれたように
少年の手が震えつつ私の手を掴んだ
嫌なのか?
