
触って、七瀬。ー青い冬ー
第20章 歪形の愛執
「佐藤君のおいしかった?
よかったね可愛がってもらえて
無理矢理犯されるの大好きだもんね?」
だけどこれで良いんだ
別にただ楽しんでるわけじゃない
七瀬を苦しめる辛さがいつか
嫌われてでも覚えていて欲しいなんて馬鹿な考えをしないようになるほど大きくなったら
その時は最大に祝ってほしい
ごめんって謝って、
謝ったとして許されない、断じて
だけど
謝って、せめてこんな仕打ちをしないようにと
手を引けるんだから
歪んだ関係もきっと消えてなくなるから
「も…許して…」
七瀬が額を床につけていった
泣いているように見えて
でも髪の毛が顔を隠していてわからない
泣いてくれていたら良い
「許さないよ」
くっくっ、と乾いた喉が笑っていた
治らないこの癖
小さい頃は自分を良く見せるのに必死だった
だけど今は
「お願い…だ、から」
もう怒ってくれない程弱ってしまったのか
それじゃダメだ
元気に抗ってくれないと
「もっと泣いてくれたら考えてあげてもいい」
ちゅ、ちゅ
気泡が潰れて擦れる音
肛門に当てた、ローションのついた玩具の先
「うぅ、う、」
涙声で腰を揺らして逃げられる
「ねえ、それ誘ってんの?」
こんな小さい穴に突っ込むなんて
とんだ鬼畜の考えることだ
最初に挿れようと思ったのは誰だろう
自分で試してみたのだろうか
それで痛い、可哀想だとは思わなかったのか
ああ、でも最初痛いのは女相手でも同じなわけで
逆に、自分も持つ同じ器官で試せるなら
女相手よりももっと痛みを理解できるはずで
例えば俺もその痛みは知ってるはずで
…可哀想だとは思わないのか?
うん、可哀想だ
そう思ってる
「ひ、…ぅう」
恐怖と快楽
強すぎる刺激はそのどちらも与える
もうどっちかわかんなくなってる
「ほら、ご褒美やるよ」
ぐ、と強い筋肉の抵抗で押し返されながら
無理矢理に押し込んでいく
「あ"…あ"っ」
間違った使い方をするんじゃないと
神様が怒っている
だけどその間違いはあなたのせいだ
人間を男女に分けた、あなたのせい
だから俺は悪くないよ
誰も悪くない
間違ってもいない
「ふ、っぐ」
「ほら力抜けって、深呼吸」
佐藤が汚ねえ股間を晒したまま肛門に入る太い棒を凝視している
本当にそれが入るのかと多分マジックショーでも見てる感覚だ
