
触って、七瀬。ー青い冬ー
第20章 歪形の愛執
「面白いよなー、これ全部入るんだよ」
そう都合よく、スイッチを押すみたいに
すぐに気持ちよくなるわけじゃない
というか、すげえ痛い
けど今は話が別
すぐに良くなる
あの飴のおかげで
とん、と棒は奥に突き当たって止まった
「あ…」
七瀬が口をだらしなく開けて声を漏らした
「全部…入った」
佐藤が呑気な感想をこぼす
「痛くない?動かしてもいい?」
いくら乱暴にしようとしたって、
肛門を割いてしまったら元も子もない
ただ延々と痛みだけを与えるのは趣味じゃないし
血が流れたらそれこそ興奮するしないの問題じゃななくなる
結局七瀬のためじゃなく俺の都合だ
「ってえ…し…っ、あ」
床にうつ伏せになっていたのに
いつのまにか腰が上がって
膝をついた体制になっていた
腰の浮ついた揺れが咥えている玩具を揺らしている
抑えていなければそのまま自然と落ちそうだ
「でも割と解れてきたんじゃない?
ちょっと動かそうか…」
鐘がなった
「あれ、もう1時間経った?」
佐藤が慌ててズボンを上げる
浮気現場でそそくさと帰る間男のようだ
「今日、確か五分短縮授業だよ」
「早いとこ保健室にでも行くか」
「いや、でも保健室にも真山先生が…」
「あの人気遣ってくれっから大丈夫だって
毎度タイミングよく出てってくれるし」
「そ、そうなの?」
「じゃ行くか…」
串刺しの七瀬を抱えようとした時
足音がする
今度は、一人じゃなく大勢だ
五分短縮で早めに授業が終わって
男達が着替えに帰ってきた
…どうやら出遅れたらしい
さてどうする?
「あー疲れたー」
「マジこの時期でも動くと汗かくな」
「つか夏場より汗が冷えて後で辛くね?」
「それな?でも夏より匂いはマシな気もする」
「いやいやお前らくっせえからな?
かといって制汗剤の匂いもマジ勘弁」
「あー、わかるわかる」
「じゃあどうしろってんだよ?」
ガラガラ
再び扉が開く
「あれ?高梨今日サボり?」
高梨伊織は席に座り、机に足を上げていた
…いかにもやる気のない陽キャである
「うん?あーまあそんなとこ」
ぞろぞろと汗をかいた男供が入ってくる
「へー、またどっかでやってたんだろ」
「俺を何だと思ってんの?」
「うーんヤリチン?」
「そういうクサイ呼び方やめろ」
