
触って、七瀬。ー青い冬ー
第21章 湖上の雫
「…」
変な気分だ
不本意にもその姿が突然性的興奮のスイッチを
押したような
でも気がしただけで、全くそういう気分ではない
「…終わり。もう全部出ただろ」
持ち上げていた足を下ろしてやり、
念のためタオルは変えて新しいものを下に敷いておいた
さて、ここからが問題だ
新しく下着を着せたり服を着せたりするのがベストだが、本人に身に覚えのない下着が知らぬ間に着せられていたらそれはまた問題なのではないだろうか
…難しい
この七瀬夕紀が目を覚まして意識を取り戻した時、どうなっていれば俺は疑われずに済むのだろう…
一先ず、着ていた汗に濡れたシャツを流せることにした
このまま一晩置いたらきっと臭いが酷くなる
しかしそれもまた厄介で、七瀬夕紀はシャツを脱がされるのをとても嫌がった
首元に手を近づけると手を払うし、
それならばと下からボタンを外そうとすると
足で蹴り飛ばす。
「なんなんだあんた…」
もう放っておいてしまおうか。
既に俺の身の潔白を証明するのは不可能に近いし
例えこの人に嫌われたところでどうも思わない
ただ母からのお達しには背くことになるかもしれないが
「…いや駄目だ。そんな汚い服で寝られたら俺が安心して眠れない」
綺麗好きとも異なるのだが、服に関して言えば俺はかなりのこだわりをもっていると自覚している
ベッドに七瀬夕紀を泣かせる時もかなり抵抗があった
上手く説明できないが、とにかく
この汗とあの痴漢リーマンの汗と体液が染み込んだシャツを着た人間が一晩寝ると思うと
気持ちが悪くて放ってはおけない
俺は腹を括って七瀬夕紀のシャツを脱がせにかかった
暴れる足は上に跨がれば敵ではない
腕も足で押さえてしまえば抵抗は抑えられた
「もうあんたの女装は手伝わないよ、懲り懲りだ」
ようやくシャツのボタンは大人しく外れてくれた
ボタンを外していくと、ブラジャーが現れる
それもホックは外れ、かろうじてぶら下がっているようやものだった
ブらを外そうとずらす
びくん
七瀬夕紀の体が揺れた…いや跳ねたのか
何かしたかと思ったが、赤く腫れた乳首にブラが擦れたのだと気づいた
たった少し擦れただけだと思ったが、七瀬夕紀の呼吸は荒かった
