テキストサイズ

本気になんかならない

第8章 バカ男子

「だれか臭うぞ?」

前席の2名が乗りだしてきて、俺のとなりに注目する。

「あーっ!お前のゆでたまごかぁ?」

「あー、すまん。早いとこ食うわ」

掻きこむ部長を見て、俺は言う。

「急ぐなよ。ノドに詰めるぞ?」

「ううっ」

「ほらっ!吐きだせよ?お茶いるか?」

背中をさすって、自分の水筒を差しだした。
部長は、一気にお茶を流しこみ。

「っ、はぁ。…食った」

と口を開いた。

「丸ごと?」

こいつ、ゆでたまごを噛まずに胃に入れた?
大丈夫なのか?食道とか…。

「ああ。俺、明日たまご産むかも」

その言いかたがおかしくて。俺は、くくくと腹を抱えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ