テキストサイズ

本気になんかならない

第9章 ハニレ

バスが発車して、手を振るメグが小さく消えた。

「朝っぱらから見せつけられたな」

「いいなぁ、宮石。うっらやましー」

「俺、お前と入れかわりたい」

巾着を膝に置いた俺に、部長と前のふたりが寄る。

「うん、嬉しいよな」

喜ぶ反面、戸惑う俺がいる。
こんな俺にここまでしてくれて、いいんだろうか?

「何?他人事みたいに。こんなに尽くされて男冥利につきるじゃん?俺らにもくれ?」

「ああ。みんなでって言ってたし…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ