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本気になんかならない

第11章 王子様

彼は本当に気が向いたときにしか登校していないようで、この調子で休むと進級させられないと口酸っぱく念押しされていた。

部登録も間にあわなかったらしく、担任が顧問を務める弓道部に入部させられることになった。

そのうえ、図書室司書補佐の称号も与えられそうになっていて。

「そんな役職あったんですか?」

「今、お前のために作ったんだ。毎朝、図書室を開けにこい」

「図書委員を差しおいてそんな大役、おこがましいです」

「じゃあ常任図書委員として迎えてやる。
本、好きだろ?」

「近くに図書館があるので間にあってます」

「あのな…」

どうなるんだろって続きが気になりはしたけれど、用の済んだ私は職員室を先に出ることになった。

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