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本気になんかならない

第11章 王子様

でも私を気にするふうでもなく、彼はポケットからスマホを取りだし、電話をかけ始めた。

「猫が轢かれました。図書館の通りの道です
飛散は少なそうです。出血はどうでしょう?
暗くてよくわかりませんが草のほうにうつしたので。
あ、大丈夫。手袋はつけました」

市役所かどっかに通報してるのか。
テキパキとまあ。

そうして連絡を終えた彼は、そのままスマホから音楽を弱く鳴らす。

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