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本気になんかならない

第11章 王子様

メロディに耳を傾け、自分の手を見つめる彼。

その行動が読み解けなくて、私はついに話しかけてしまった。
とりあえず敬語で。

「どうしてその曲なんですか?メモリー?」

それはミュージカルCATSの代表歌で

「え?ああ、この曲ってね
今までの思い出を許容すると
幸せが訪れるってゆーか…

ま、俺には歌詞の意味がよくわかんないんだけど。
とりあえず猫には打ってつけかなって」

ああ、CATSだし…って

「この動物、猫なんですか?」

さっきの通話にも首をかしげたけど、どう見ても違うと思う。。

「え?違うの?」

「あー、猫かも、です」

宮石君が猫だと思うならそれでかまわないし。
この動物も自分の種類を知ってほしいとは思ってないだろうし。

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