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本気になんかならない

第11章 王子様

イメージと違って何か抜けてる宮石君に、思わず微笑んだ私は、会話を続ける。

「優しいんですね」

そう言うと、彼は少し沈黙した。


もしかしてもしかして、照れてる?

可愛いー!



そして、私とは目をあわさないで教えてくれる。

「このコが俺じゃないからよくわからないけど、ひとりで逝くのってつらいと思って。
このコには、ありがた迷惑かもしれないけど」

「そんなことないです。ぜったい喜んでます!」

そんなの私がしてほしいもの!
ご臨終のときだけじゃなく、毎晩!

手を握って肩をそっと撫でて、優しく語りかけてくれる…

なんてゼイタク!

「そう?よかった」

はにかんだ宮石君は、もう可愛すぎて。


私は彼氏の存在を忘れた。。

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