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本気になんかならない

第12章 1・2・3

「あ、そうだ!
私ね、お姉ちゃんの言葉がわかってきたみたい」

サクサクと天ぷらも食べすすんで、食欲が落ちついてきた私は口を開く。

「突然何の話なのこのコは?」

「よく言ってくれてるでしょ?

どんなときも味方だよって。
寂しいときは呼んで?って。

そりゃ嬉しかったけど、その意味がもっとわかったというか」

前は、お姉ちゃんを呼んだって、どうしようもないじゃないって思ってたけど、何があっても見捨てないでくれる人がいるって、それがどんな心強いか。

昔、枕元でよく読んでくれていた博愛精神に満ちた偉人伝も思いだして。
それが、本日の宮石君の行動と結びついて、今のお姉ちゃんの姿を見てじわ~っときたの。

私、独りじゃないんだ、って。

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