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本気になんかならない

第26章 趣味:和歌

そして、今日は降るかな?と
となりの部屋の雪見障子から窓の外を確認していると

「さ、そろそろ観に行くわよ」

第2講堂ではこれから物語組による
能『定家』が披露されるようで

手早く佐倉が着ていた衣装をひとまとめにした副部長は、さっと立ちあがる。

「ふたりで行っておいでよ」

俺は稽古で何度か見せてもらっていたから
と見送って、奥の部屋でゴロンと横になって

したら休む間もなく、ドア向こうの佐倉から
「宮石、ご指名ー!客ーっ!」
って声が届いて俺は、はねあがる。

もしかして、北里?

なんてドキリとして、

髪とか、おかしくないかな?
襟、曲がってないかな?って

窓ガラスで姿をチェックしたりなんかして

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