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本気になんかならない

第28章 green flowers

「採用って、何がです?」

「ホールスタッフ」

男はニッと笑いながら、ドライアイス台座からおろしたグラタンにスプーンを沈める。

もう冷めたのか?
まあ、どうでもいいけど。

「どしてっ?」

俺は面接しに来たわけじゃないしっ。

「絵になるから。んっ、味も合格っ!

時間あるんだろ?大学生。
ほら、笑って?営業スマーイル!」

男はスプーンで下に膨らんだ半円を描く。

「やですよ」

「なら、服、返せ。下着も今すぐ返せ」

返して欲しいのは俺だっての。

「そんな強引な」

「返せないの?なら採用!」

さっきからどうも調子狂うとは思ってたけど
何?この、気ずい気ままなゴリ押し男は……。

さっさと部長にスマホ渡して帰りたい。。

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