テキストサイズ

本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

そして、妹の質問が始まる。

「ねぇ、その彼氏と出会ったのっていつ?」

「えっと、、5年くらい前だったかなぁ?」

「その頃からつきあってたの?」

「1年くらいね。だけどすれ違って…もうこのままだと思っていたんだけど。」

このクリスマスに、奇跡みたいに話が進んだ。

「…さっきの人が言ってたけど、事務員さんなの?」

「そう。こども園のとなりの児童養護施設の」

そう答えると妹は、残念そうに目を閉じた。

そりゃ、上場企業の社長さん並みの年収ではないだろうけれど、ほどほどの堅実な稼ぎがあれば私は満足だし。

「子ども事務員…」

そう呟いて、呆然としだした妹は再度、私のリュックに視線を向ける。

そんなにショックがらなくても。
それに、その略のしかたはおかしいわよ?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ