テキストサイズ

本気になんかならない

第39章 幸せ所有格

「で、いくつなんだ?」

ビールをがぶ飲み中のくせに、まだ頭がはたらくらしい。
いちばん聞かれたくない質問を、兄はぶつけてきた。

私は、言いよどむ。
だけど、ごまかしてもしかたないこと。

「にじゅう…2才」

「若っ!羨ましいっ!」

隠さず伝えると、はしゃぐ義姉。

また喧嘩の火種になりそうで私は怖々、兄をうかがった。すると

「羨ましかないだろっ、俺は許さんぞ!」

両どなりまで響くような怒声を飛ばす兄。

とたんに、奥の部屋から泣き声がした。
、、起きたわね…

「この話は、また今度ね」と、言いのこして紗波のもとに逃げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ