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好きだって気づいたとき

第12章 2人きりの時間

「なぁ遼太・・・」

「んっ、何?」

「何でさ、キャンプとかさ修学旅行とかでさ、夜みんなで遊んでいてさ、負けると罰ゲームとかやるのかな?」

「何だよ急に。
ゲームをして負ける=罰ゲームって昔から決まってるんだよ。
そんなの基本の“き”のようなもんじゃねぇか」

「じゃあさ、負けたら罰ゲームするのが基本なら、何で罰ゲームって、モノマネ・・・とか、一発ギャグ・・・とか、定番中の定番の事にしないのかな?」

「そんな事俺がわかるかよっ!」


何かちょっと怒ったような口調で答える遼太。


「何だよ、何怒ってんだよ。
わからないから聞いてるんだろ?」

「怒っちゃいないよ。
何かいろいろと思い出しちゃっただけだよ」

「思い出したって、何を?」

「何でもないよ。
まぁ、定番のものより盛り上がると思ったんじゃね?
それこそ男子の定番の悪ノリってやつだよ」

「ふぅ〜ん、悪ノリね」

「お前は頭良いんだけど、そういう事は鈍いんだな」

「鈍くて悪かったな」

「おっ、すねたな?
あいかわらず可愛いな」


確かにちょっとすねた俺。
黙ってアルバムをめくっていた。
見ながらずっと頭の片隅と言うか、胸の奥の方にある疑問を遼太に聞いてみることにした。


「俺が罰ゲームに決まった時、必死に止めてくれたよね?
キャンプの時は助けてくれなかったのにどうしてかなって思って・・・遼太?
何だ寝ちゃったかよ」


毎日部活で疲れてるんだろうな。


「まぁいっか。さぁ俺も寝よっかな」

「知哉は俺が守る・・・から・・・Zzz」

「えっ、何寝言?」


俺はこいつの夢の中で何されてるんだろう。



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