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好きだって気づいたとき

第12章 2人きりの時間

何だかドキドキしながらベッドに寝転がった。
片付けたアルバムをまた出してきた遼太。
ベッドに寝転がりながら見始めた。


「そう言えばさ、夏休み最後にも遊びに行ったよな」

「あっそうそう、行った行った。
山と言うか、川遊びって言うか行ったよな」

「この時はみんな都合が悪くて俺達だけだったよな。
本当の最後だったから、みんなで行きたかったなぁ・・・」

「俺と2人じゃ楽しくなかった?」

「楽しかったよ。楽しかったに決まってるじゃん。
でもいつものメンバーならさらに楽しかったよなって思っただけだよ」

「俺はお前と2人で嬉しかったけど・・・」

「・・・?」


慌てて目をそらした遼太はまたアルバムをめくりだした。


「最後の体育祭の写真だ。
これ結構綺麗に撮れてるな」

「あぁ、リレーの写真な。
これ結局遼太に負けちゃったよな。
何やってもお前には勝てないよ」

「でもいい勝負だったよ。
勝てないって言うけど、俺より勉強出来るし。
俺、絶対お前には勝てないし」


数少ない体育祭の写真をめくっていると、修学旅行写真のページになった。


「おっ、修学旅行の写真。
カメラを持って行って良かったから、これはいっぱい撮ったな」

「この時も色々あったな」

「この時もお前、みんなの餌食になりそうだったしな」


また真顔になる遼太。


「餌食って、あれはゲームの罰ゲームだったし。
でもこの時はお前のお陰で助かったよ」


何か俺、ゲームとか弱いのかよく負ける。
中2のキャンプの時もまけて罰ゲームをやらされてる。
修学旅行のときもそう、まけてしまった。


「しかし何でいつもあれを罰ゲームにするんだろうな」


男子ってどうしてあれを罰ゲームにしたがるんだろうな。

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