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好きだって気づいたとき

第13章 修学旅行

夏休みも終わり、その後の大イベント体育祭と文化祭も終わった。
イベントが終わっていくと、中学校生活も終わりに近づいていく。
そして中学校生活最後の大イベント・・・
修学旅行!
10月の暑くもなく寒くもない、丁度いい季節。
受験生には大変な時期だけど、そんな事は今はとりあえず忘れよう。
ワクワクなのかソワソワなのか・・・


「遼太、修学旅行また同じグループになれるよな」

「もちろん同じグループになるに決まってるだろ。
それより知哉、お前は余裕あるよな」

「えっ、余裕あるなぁって何が?」

「何がって、修学旅行から帰ってきたらテストがあるじゃんか。
心配にならねぇか?」


あっ、そうだった。
何でだか浮かれてて、テストがある事すっかり忘れてたわ。


「あっ、そうだった。俺マジ忘れてたわ」

「お前はいいよな。
忘れられるほど余裕があるって事だもんな」

「余裕あるわけじゃないよ。
ちょっと浮かれてただけだよ。
ちゃんと勉強はするよ」

「俺はこれでお前と同じ学校に行けるかどうかが決まるんだよ。
正直、修学旅行どころの騒ぎじゃないよ」

「夏休み中、終わってからもずっと一緒に勉強してきたから大丈夫だよ。
帰ってきたら、また一緒に頑張ろうよ」

「・・・うん」


別々の学校に行くなんて、考えられない。
考えられない・・・なぜ?
離れられない?離れたくない?・・・なぜ?
ずっと一緒にいたい・・・なぜ?
その疑問はどんどん大きくなっていく。
でもその答えは全然見つからない。
勉強ならほぼ答えが出せるのに、この疑問はどれだけ考えても答えが出てこない。


「どういう事だ?」

「何が?」

「あのさぁ・・・いや、何でもない」

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