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好きだって気づいたとき

第16章 高校入学

「友哉、大丈夫か?・・・こん・・・にちは」


俺の事を気にしながら、ベッドのそばにいた先輩に挨拶をした。


「もうそろそろ部活終わる頃だと思ってのぞきにいったら、お前が倒れたって聞いて」

「友達?」

「はい、俺友哉の幼馴染みの張本遼太と言います。
えっと・・・」

「俺は3年、和太鼓部のOB。
今日は用があって学校来たから部活のぞきにいったら友哉が倒れちゃって」

「そうですか、ありがとうございます。
後は俺が見るんで」

「あぁ、そう・・・それじゃあお願いね。
お大事に」

「ありがとう・・・ございました」


何だか名残惜しそうに帰っていく先輩。


「どうせお前の事だから、あまり水分も取らず、休憩もしなかったんだろ?」

「うん・・・」

「お前は真面目すぎるんだよ。
俺が隣にいるから、少し休め」

「うん」


そのまま俺は眠った。
同級生や2年生の先輩が心配して覗きに来てくれたみたいだけど、遼太が全部対応してくれたみたい。
1時間くらいして目を覚ますと、俺の寝ているベッドに突っ伏して遼太が寝ていた。


「ずっといてくれたんだ」


起こそうとすると握っていたスマホを落として、その音で目を覚ました。


「うわっ、びっくりした・・・おっ、友哉起きたか?
どうだ気分は?」

「もう大丈夫。ありがとう」

「ちょっと待って、先生呼んでくるから」


部活の顧問と保健の先生がやってきて、少し話して帰ることになった。


「友哉大丈夫か?気分悪くないか?」

「大丈夫だよ」


2人並んで自転車を押し、家までゆっくりと歩いて帰った。

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