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好きだって気づいたとき

第1章 色濃い2ヶ月

卒業式当日、いつもと何一つ変わらず学校で騒いでいた。
いつもと何が違うかと言うと、みんなビシッと服がきまっていて、動きづらいってところだけ。
今日くらい大人しくしていればいいものを、それが出来ない俺達4人。
でも式が始まり、体育館に入場すると別人、借りてきた猫、それくらい静かだった。
まぁこの状況で騒いでいたら、即退場もんだけどね。
式の最中、たった2ヶ月のことだけど、遼太が言ったみたいに色濃い思い出ができたからか、寂しさがこみあげてきた。


「ヤバい・・・泣きそう」


卒業式も終わり、クラスごとに退場していくとき、遼太に泣き顔見られたくないと、グッと我慢した。
下を向いていると涙が出てきそうだったから、大きく深呼吸して前を向いた。


「健人は・・・」


全然平気そうだ。


「雅人は・・・」 


雅人も何とか大丈夫のようだった。
すると近くで鼻をすする音が聞こえてきた。


「誰だ・・・えっ、遼・・・太?」


鼻をすすっていたのは遼太だった。
下を向いて顔を手でこすり、大泣きしていたのだ。


「うっ・・・」


おいおい、野生児界代表くらいの遼太が、まさかの大号泣。
教室に戻り声をかけてみた。


「遼太」

「知・・・哉」


俺の顔を見てはまた大泣き。
最後にクラスみんなで記念撮影。
俺達4人はかたまった。


「はい撮りますよ」


その瞬間、俺の右手が生暖かいもので包み込まれた。
遼太の手だった。
初めはびっくりしたけど握り返し、手を繋いだ。

すべての予定が終わり、俺達は速攻帰り○ックへ行き、そこでは食べないず持ち帰り、いつもの木の上で食べた。 
気が付いたらここが落ち着く場所になっていた。


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