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好きだって気づいたとき

第20章 これもひとつの思い出

そして何日かして大学も入学式が終わり、通常に通うようになった。
2人で大学に行き、校内を歩いていると突然声をかけられた。


「おーい・・・友哉」


どこかで聞いた事のある声。
俺はキョロキョロと辺りを見回した。


「どうしたの友哉」

「今誰かに呼ばれたような・・・」

「誰?誰なの?」

「わかんない・・・気のせいかも、行こっ」

「おいっ、友哉」


さっきよりはっきりと聞こえ、聞こえた方に目をやると俺は驚いた。


「涼太・・・」

「んっ、何?」

「いやっ、お前じゃない」


遼太も俺の見る方を向いた。
そこには転校して仲良くなった涼太がいた。


「よおっ、友哉」

「あれっ?お前ここ受けたの?」

「うん、まぁね」

「そんな事1度も言わなかったじゃんか」

「内緒にしていたわけじゃないけど、言うことでもないし、お前に聞かれなかったから言わなかっただけ」

「なんだよそれ。
あっ遼太、こいつが前に話していたお前と同じ名前の涼太。
で、こっちが話していた前の高校の幼なじみの遼太。
なんかややこしいな」

「はじめまして。
君が引っ越す前までずっと仲が良かったっていう遼太君?」

「お前が新しい学校で仲良くなった、偶然俺と同じ名前っていう涼太か?
仲良くしてた割には受ける大学の名前教えなかったって、どうしてなんだよ」

「でも君達も仲良かったけど教え合わなかったんだよね」


何だろう・・・
この険悪なムードは。


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