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好きだって気づいたとき

第20章 これもひとつの思い出

俺達は受験をして、2人共無事大学に合格した。
あの時の約束通り家を出て、部屋を借りて2人で暮らすことになった。
お互いの親も、俺達の仲の良さを知っていたから反対はされなかった。
引越しも無事終わり、ソファーにドサッと座った。


「終わったね」

「うん、お疲れ様」

「これからずっと、毎日友哉と一緒にいられる」

「そうだね」

「友哉、嬉しい?」

「ばっ、ばかそんな恥ずかしいこと聞くなよ」

「いいじゃん、俺達だけなんだからさ。
ねぇねぇ・・・」

「嬉・・・しいよ。
すっごく、すっごく嬉しいよ」


俺を肩に手をまわし、ギュッと抱きしめた。
久しぶりの遼太の腕の中。
安心する。


「なぁ遼太、俺達の出会いって偶然だったのかな」

「そんな事わかんないよ。
でも何か引き寄せられた、会うべくして出会ったって思いたいよ」

「俺もそう思う」

「これからずっと一緒だから、あの変な先輩みたいな奴が近づいてきたら俺が守ってやるからな」


何だか嬉しいような恥ずかしいような・・・
その日は引越し疲れなんておかまいなく、久しぶりの2人きりの夜を懐かしむように激しく体を重ね合った。


「あぁ、友哉だ・・・
友哉だ、友哉の匂いだ・・・」

「遼太・・・遼太・・・」


遼太は俺の体にむさぼりつくように、俺も激しく求める。


「遼太、もう・・・ダメ・・・」

「俺も、久々すぎてもたねぇ・・・」


お互い我慢していたのか、1年半ぶりだったからか、あっという間だった。
その日はそのまま眠った。


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