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好きだって気づいたとき

第4章 夏祭り

祭りの後、遼太とはなかなか予定が合わなくて、遊んだりしていない。
部活で学校へ行くと“おはよー”と挨拶する程度。
出校日、学校へ行くといつもの様に俺のクラスへ遊びに来た。


「おい遼太、いまさらだけど、あまりこっちの教室に来ない方がいいんじゃないか?」

「えっ、何で?
友達の所に来てるだけなんだから、別にいいじゃん」

「あまりいい顔してないやつがいるからさ。何かあったら・・・」

「何かって何だよ。
お前は色んな事考えすぎなんだよ」

「う〜ん・・・そうかなぁ」

「そうかなぁじゃなくて、そうなの。
宿題の続きしたいんだけど、今日暇?」

「今日いいよ。
てか、お前から珍しいな」

「まっ、まぁね。
じゃあ今日行っていいか?」


気のせいなんかじゃない。
派手じゃないやつ、ちょっと地味なやつからは、遼太は凄く人気がある。
違う俺のクラスのやつらなのに。
気さくに“おはよー!”とか声を掛けてくれたり、困っていたりすると助けてくれるのが遼太の好かれる理由。
俺もそういう遼太を尊敬している。
でもちょっと派手というか元気なやつらからはあまりいい顔はされていない。
と言うか、どうも遼太を仲間に入れたいようだ。
そう言えば、コンビニでうちのクラスのやつをからかっていたやつも、遼太に普通に声をかけて何やら話していた。
でも遼太は軽く聞き流していたように思えた。
一体遼太は何もんなんだ?
あいつらから遼太を仲間に入れたい理由って何なんだろう。
俺がその理由を知るのは、まだもう少し先のこと。


「んっ・・・智哉どうした?」

「いやぁ・・・別に」

「ふ〜ん、そう。
じゃあ、宿題持ってすぐ来るね」





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