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好きだって気づいたとき

第6章 体育祭

体育祭当日、すごくいい天気。
9月下旬、風が吹けば涼しいけど、日差しはまだまだ暑い。
中学の運動会・・・いや体育祭は、いろんな競技が同時進行していく。
俺はクラス対抗の大縄跳びと、これまたクラス対抗のリレーに出ることになった。

走り高跳び、走り幅跳び、ハードル、遠投などなど、体育祭というよりか、何か競技大会と言った方が似合ってるいるんじゃないかな。


「やっぱ小学校の運動会とはちょっと違うな」


午前中最後にクラス対抗大縄跳び。
制限時間内に、何回跳べるかを競う。
俺の位置は縄を回す人に近いところ。
そう、人より高く跳ばなくてはいけないところ。


「ここ疲れんだよな・・・」

「甲斐田君、頑張ってね」

「おぉ、頑張るよ」


心の中で文句を言っていると、縄の回し手が声をかけてくれた。
文化祭の準備でよく俺が手伝っていたやつ。


「松田も頑張って回せよ」


あれからよく話すようになった。
そして俺の隣に来たのは、あの手伝いも何もしなかった奴。
俺の顔を見てニヤリとしたのが何かイヤだったけど、まぁ気にしないで跳んでいこう。
ちなみに子いつは木村って言う。


「それでは始めます。よーい・・・」


先生の掛け声とピストルが鳴って、大縄跳びは始まった。


「せーの・・・」


2人の回し手の掛け声で縄が回り出した。


「1・2・3・・・」


というみんなの掛け声と共に、みんなが一斉にジャンプをした。
俺は膝が腹に付くくらい・・・はおおげさだけど、足をあげてジャンプした。


「38・39・40・・・」

「行けっ・・・そのままそのまま・・・」


その声で俺達が1番という事がわかった。


「甲斐田君頑張れ・・・あっ!」


松田の声が聞こえた瞬間だった。

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