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好きだって気づいたとき

第11章 2泊3日の海水浴

「あっ、これこれ・・・
みんなで海に行った時の写真」

「そういえば、松田の親戚が海で民宿してて、世話になったんだったよな」

「松田、健人、真斗と俺と知哉の5人」

「しかもお金も取らないで2泊させてもらって、良かったよな」

「その分色々手伝ったけど、アルバイトしてるみたいでちょっとワクワクしたよ」

「また、どこか遊びに行きたいな・・・んっ、知哉?」


強がりを言ってもやっぱり寂しい。
思わず膝を抱えてうつむいた。


「どうした知哉」

「何かさ、やっぱ寂しいなって・・・」

「お前が言ったんだろ、海外行くわけじゃないって。
二度と会えなくなるわけじゃないって」

「・・・そうだったな、ごめん」


また強がっちゃった。
本当は遼太と離れたくないって言いたいんだけど、言ったってどうしようもないけど・・・
離れたくない?


「海の写真、そんなにないな」

「そうだな・・・
まぁ、海で遊ぶのに必死だったからな」

「でも、民宿の庭でスイカ食べたり花火してるところの写真は結構あるな」


再び体を寄せ合いアルバムを見た。


「あれっ?何この写真。
みんな写ってるけど誰が撮ったんだ?」

「松田のおじさんかな?」


部屋でお昼寝している写真。
全員写ってるからたぶん、ここのおじさんがこっそり撮ったんだろうな。


「あっ・・・」

「何、知哉」

「うぅん、何でもないよ」


隣同士で寝ている俺と遼太。
写真右側で見切れてるけど、よく見ると俺と遼太、手を繋いでいるように見える。
繋いでいるというか、俺の手を握っているというか、そんなふうに見えるんだけど、みんな気がついていないよね。




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