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好きだって気づいたとき

第11章 2泊3日の海水浴

海に2泊3日で行った後、遼太と俺は毎日会っていた。
毎日会って、勉強していた。
図書館へ行ったり俺の家だったり、そして息抜きに俺達の溜まり場、あの木へ行った。


“遼太、頑張ってるな”


10分ももたない遼太が、なかなかねをあげない。


「・・・何、知哉」

「あっ、いや別に」


気付いたら俺は遼太をずっと見つめていた。


「俺の顔に何かついてるか?」

「いやっ・・・ついてない」


俺、何ドキドキしてるんだ?


「知哉・・・」

「なっ、何?」


顔を近づけた。


「その焦った時の顔、可愛いな」

「バッ、バカッ・・・!!」

「しっ!・・・知哉、静かに」


そう、ここは図書館。
図書館という事を忘れて、可愛いと言われ思わず“バカッ!”と大きな声を出してしまった。
当然ながら、周りの人達に“チラッ”と見られてしまった。


「遼太、可愛いとか言うなよ」

「はぁ、何で?
可愛いから可愛いって言っただけじゃん」

「だからそれをやめろっ・・・」

「知哉、勉強終わったらあそこ(木)行こうぜ」

「えっ・・・あぁ・・・うん」


何か俺は、こいつに振り回されてる気がするな。
まぁそれはそれで、嫌な気はしない。
むしろちょっと嬉しく思っている俺がいる。


「なぁ知哉、海から帰ってきてから俺達、勉強超頑張ってんじゃん?」

「うん、遼太めっちゃ頑張ってるよな」

「だから、夏休みの終わりにまたどこか遊びに行かないか?」

「どこかって?」

「どこかはどこかだよ。まだ決めてない」

「そうだな・・・うん、どこか遊びに行こ」

「よし決まり。
じゃあそれまで毎日頑張って勉強しよっ!」


俺も頑張ろ。

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