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Memory of Night

第2章 部屋


(ちょっと、やり過ぎだったかな……?)


 晃はベッドの上に横たわったままの宵を見て呟いた。

 ぐっしょりかいた汗。頬は真っ赤に上気している。

 晃は宵の服をざっと整え、手首のロープをほどいた。

 宵の手首を見て、悪ノリしすぎてしまったことを後悔する。

 ほっそりとした白い手首には縛った痕がくっきり残ってしまっていた。いくらか血も滲んでいる。

 これは少々やりすぎだ。

 宵に対しては――一目惚れだった。初めて見かけた時、キレイな子だな、と思った。一度抱いてみたいとも思った。

 でも普通の人は、男同士ということを嫌がるだろう。だから宵のことは諦めていたけれど。


(まさか金払ってやらせてもらえるとは思わなかったよな……)


 晃は小さく苦笑した。

 困惑した顔が可愛くて、アブノーマルな要求をしてみたりもした。

 あの口ぶりから、普通のセックスなど慣れてしまっていると思ったし。

 だが、どうやら宵にはそんなもの、必要なかったようだ。

 ずいぶんと感度がいいみたいだし、縛りなんて要求しなくても十分楽しめただろう。もともと晃にそっちの趣味はなかった。

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