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Memory of Night

第2章 部屋


 晃は素直に謝った。いつの間にか、普段の優等生の顔に戻っている。


「今度はいつ相手してくれるの?」

「……もうあんたとはやんねーよ。一人の相手とは一回って決めてるし」


 同じ子と何度もやって、情が移ったり移されたりするのは嫌だった。

 そんなのは面倒だ。金さえ手に入ればいいのだから。

 宵の言葉に、晃が不機嫌そうに目を細める。


「……また、別の子とやるんだ。やめた方がいいと思うよ。君にはこんな稼ぎ方、向いてない」


 あからさまな晃の言いぐさに、宵がムッとして顔を上げる。


「だいたい、そんなに必死で金集めてどうするの?」


 宵はしばらく何も答えなかった。

 充分に間をあけてから、ぽつりと呟く。


「……必要なんだよ、金が。だからやめる気ねーよ」


 宵は乱暴に立ち上がり、ドアに手をかけた。

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