Memory of Night
第12章 吐露
宵が目覚めた時、真っ先に視界に飛び込んできたのは白い天井だった。続いて、陽に透けて波打つ白いカーテン。
眩しさに目を庇おうと右手を持ち上げようとして、右腕がほとんど動かないことに気付く。
同時に、腕の付け根からの刺すような痛みも。
意識がはっきりしてくるにつれ、ようやく不良達に殴られたことを思い出す。腕に妙な薬を打たれたことも。
一瞬保健室かと思ったが、多分違う。ここは病院のベッドの上だ。
首を巡らすと、誰かの手が自分の手をしっかりと握りしめているのが見えた。
その人物は床に膝をつき、ベッドの上に突っ伏して眠っている。
それは晃だった。
(晃……だったのか)
夢の中で感じたあのぬくもりの正体が、ようやくわかった。右手に見えた光も。
ずっと、そばにいてくれたのかと思う。
胸にこみ上げてくるものを感じて、宵は左手で晃の髪に触れた。
だがその瞬間、あることに気付く。
(手術……)
志穂の手術は、一体どうなったのだろう。
志穂は無事なのだろうか。
宵は晃の手をそっとどけ、左手を重心に体を起こした。