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Memory of Night

第14章 聖夜


「覚悟って……!」


 いじめられる覚悟なんてしてたまるか。頭ではそう反抗するけれど、口から零れるのは甘い吐息だけだった。

 下肢に触れる緩い刺激がもどかしい。

 腰が揺れそうになるのを、宵は必死で堪えていた。

 晃の唇が、服越しに宵の乳首に触れる。薄い布越しに食(は)むようにしてもてあそばれる。


「あ……っ、ぁ、ん」


 しつこく何度も攻められ、堪えきれずに断続的な喘ぎ声が洩れた。

 宵は唇を噛みしめる。

 だがふとその視線が動き、慌てたように宵が言った。


「窓……っ」


 上擦った声で指摘され、ああ、と思う。そういえば、開け放したままだった。


「寒い?」


 問われて、首を振る。寒くはないけれど。


「だって、声が……」


 それが失言だったと気付くまで数秒。

 晃は新しいイタズラを思いついた子供みたいな顔をした。

 止まっていた手の動きが、再び再開される。


「晃……っ」

「しー」


 宵からの非難の眼差しは軽く受け流し、晃は笑った。


「声が外に洩れるのが嫌だったら我慢して? 宵は我慢とか得意だろ?」


 キスされる。

 勝手な言い分につけたい文句は山ほどあったのに、そんなのは全て晃の唇に吸い込まれてしまった。

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