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Memory of Night

第15章 告白


 欲を言えば寝顔をもう少し眺めていたかったけれど、すぐに何か飲まないと本当に干からびてしまいそうだった。

 寝入っている晃を起こすのはなんとなく気が引けるから、キッチンに言って水を拝借することにした。

 親は昼頃にならないと帰ってこないと言っていたし、大丈夫な筈だ。

 晃の眠りを妨げないように慎重に体を起こし、ベッドから出ようと試みる。


「わ……っ」


 その時、突然左腕を掴まれた。そのままぐいっと引っ張られる。

 またベッドに引きずり戻されるのかと思い、宵が青ざめる。

 今抱かれたらシャレにならない。本当に死ぬ。絶対に昇天する。

 ただでさえ身ぐるみを剥がされてしまった体は、酷く無防備なのに。

 一瞬びくっとしたけれど、晃はまだ起きたわけではないらしかった。引き寄せようとする腕には、大した力もこもっていない。

 無意識の行動らしい。

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