Memory of Night
第5章 玩具
「君のこと、俺で泣かせてみたい。狂わせてみたい」
「――」
きっぱりと告げる晃に、宵はもうどう反応したらいいかわからなかった。
晃の言葉はいつも、理解不能だ。
目をみはり、言葉もなく見上げてくる宵の唇にそっとキスを落とす。
宵の唇を指先でなぞりながら、晃はローターを宵の目前に掲げた。
「このおもちゃはね、振動を細かく調整できるんだ。君がどこまで我慢できるか、試してやるよ」
――お仕置きの本番は、これからだから。
晃は宵を上から眺めながら、口もとにうっすらと笑みを浮かべた。