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Memory of Night

第5章 玩具


「――というわけで、やり方は今説明した通りだ。夏休みだってーのに呼び出しちまって悪いとは思うが、しっかりやってくれ! 最後にジュースを配るから、期待して頑張れよ!」

「はーい!」


 威勢のいい学年主任の掛け声で、集められた二年生は一斉に動き出した。

 宵もその波に任せて、ゆっくりと立ち上がる。


(クソ……ッ)


 埋め込まれたおもちゃのせいで、派手に動くと中が擦れる。

 おもちゃの動きは緩慢だ。

 快感は、まるでじわじわと押し寄せてくる波のようだった。

 ローターを入れられてから、まだほんの二十分程度しか経っていない。

 ――明日の準備が終わったら、止めてあげるよ。

 晃はそう言った。

 準備はおおよそ半日の予定だ。まだ当分は終わらない。

 説明を聞いているだけで、宵はもうくたくただった。

 少し気を抜けば声が洩れてしまいそうだし、学年主任の説明を聞いている間中、ずっと晃の視線が絡みついてきた。

 ……見られている。

 そう思うと体は余計に熱くなり、中でうごめく感触を何倍にも強く感じてしまう。

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