仔犬のパレード
第2章 小屋
まるで
俺の考え間違ってないかな?大丈夫かな?
って、訴えてくるかのように
…
……
知るか!
そんなん俺がわかるわけないだろう!
そう、言ってやりたい
けど…
智「……翔…」
見捨てないでと、下から見上げてくる
きゅるるん。と仔犬の様な瞳
…
狡ぃーーー…
センセーこの人卑怯ですー
普段は俺に偉そうな態度取っておきながら?
こんな時ばっか、可愛こブリっこしてますー
だからって俺は揺るがない
智「(きゅるるん)」
負けねーかんな…
智「…翔…(きゅるるるん)」
翔「……っあぁもう!わかったよ!(←早い)
いいんじゃねーの?!
そろそろ潤も何かさせて良い時期だと思うよ?!」
智「ほんと?そう思う?」
瞬間、パァっ。と明るくなる瞳
翔「まぁ…どっちに転ぶかはわかんねーよ?賭けっつーか。でももし上手くはまればさ
その…誰かの為に何かをするっていうのは……生きる目的?になるっつーか、力になると思うんだ。」
…きっとさ
…俺が
そうである様に…
潤にもそんな人が必要なんじゃないかなって
潤を見てて思うんだ
智「はぁ…良かった」
智は安心したように、安堵の溜め息を吐く
翔「良い案だとおも…」
智「じゃぁ翔が潤に言えよ」
ん…?
は?!
翔「何言っ…」
智「俺、潤に嫌われてるもん」
翔「ちょっと待…」
智「俺の話なんて聞いてくれないもん」
被せ被せの、開き直りの「もん」口調
翔「だからって…」
智「だって嫌われてる理由わかんねーし。んじゃよろしくねー」
そう言って背を向け 手をプラプラ振って部屋を出ていった智
え?
なにあれ
つか、さっきのまだ根に持ってんの?
うぅわ ねちっこー…
…
……
…つーか
これって所謂
完全にはめられた。ってやつ?
あの自信なさげな表情は……演技…?
翔「うそだろ……」
俺は、はぁぁぁ…と、今日何度吐いたか分からない溜め息を
床へと落とした