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架空ストーリー

第5章 『Toilette』

水野先生は何かを思い出したように我に返った。

「はい、もういいからトイレから出て!」


「はい、スイマセンでした」


鼻かゆいい


「鼻をほじらない!」

「ほじってません!」

「アーッハハハハ!」


私たちは水野先生に背中を押されてトイレの前まで追い出された。



「ここのトイレは生徒の使用禁止。わかった?」


「…は〜い」



「ところで課題のほうはちゃんと調べてあるの?」


「はい、大丈夫です」

「せんせのメイクばりにバッチリです」


「ぐぬぅ…ほっほう?
じゃあ聞くけど作者は一体誰なのかしら?」


「菅原道真です!」


「お、河野さんは菅原道真ね。
明石さんは?」



私はひと呼吸おいた。

「空海です」


「え、ちょっと
空海って坊さんだよね?」



水野先生は驚いたような顔をして、にっこりと笑った。

「次の研究会が楽しみね。
さ、2人とも教室に戻って」

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