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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第3章 ~幼少期から中高生時代〜

「あれ? おかしいな……」

トオルくんが後方のズボンのポケットに手を突っ込んで、
必死で何かを探していた。


すると、突然背後から。

「今、そこで拾ったんだけど」

「げっ ユ ユウコ……!」


いつの間に取り上げたのか、トオルくんのアドレス帳を
目の前で、ちらちらと見せつけていた。


「あ… そそれはっ! いつの間に……!?」

「これ、捨てちゃおっかな~」

「か 返せよ!」

「嫌(ヤ)だ あたしと“デート”する気があるなら、返してあげる」

「くそ~~~ お前は… 詐欺の常習犯か」



それから数分間…――
二人の激しい言い争い。


さすが、年季が入ってる~



そのとき
突然、強い風が吹いてきたかと思うと。
ユウコの手に持っていたトオルくんのアドレス帳が……
宙に舞った。


そして、そのまま窓の外へ真っ逆さまに落ちていった。


「あ… ごめん! …手が滑っちゃった」

「お前… 誰かに拾われたらどうする気だ!!」

「あたし、し~らない」


ユウコは、そう言って素知らぬフリをする。


「くそ! 取りに行ってくるっ!!」


トオルくんは、蒼い顔をして教室から飛び出して行った。



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