ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~
第3章 ~幼少期から中高生時代〜
ちょうどそのとき、リョウちゃんが
トオルくんと入れ替わりに、教室に入ってきた。
「早く帰ろうぜ」
「う、うん」
ユウコは、さっきトオルくんのアドレス帳が落ちていった
窓の外に目を向けていた。
「ん? どうした?」
「トオルくんのアドレス帳が……」
「は?」
今まで起きた状況を何も知らないリョウちゃん。
当然、キョトンとした顔をしている。
ユウコを教室に残して外へ出ると、
アドレス帳を探しているトオルくんの姿が見えた。
「あ… トオルくん」
「ホントだ」
こっちには全く気付かないトオルくんに、
リョウちゃんがニヤッとした笑みを浮かべると大声で呼びかけた。
「トオル~! アドレス帳あったか~?」
「馬鹿っ! 声がでかいよ」
「もう、誰かに拾われちゃった?」
「早く、帰れよ……」
悪戯っぽい笑みを浮かべてからかうリョウちゃんに
トオルくんは、相変わらずご機嫌斜め。
いつもは、クールで
女子生徒からも憧れの存在のトオルくんが、
今日は必死でアドレス帳を探している。
その光景が可笑しくて、思わず
「ぷっ!」と吹き出した。
トオルくんには申し訳ないけど、
笑いを堪えることが出来なかった。
ごめんね
トオルくん……