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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第3章 ~幼少期から中高生時代〜

グラウンドの方へ歩いて行くと、
運動部の生徒たちの活気良い声が聞こえてきた。

そういえば、トオルくん…
サッカー部だったんだっけ。

ちょっとだけ…見ていこうかな。


トオルくん目当ての女子たちの取り巻きを横目で見ながら、私は少し離れた場所から見学することにした。


すると、すぐに
私に気付いたらしいトオルくんがこっちへ向かってきた。


「サオリちゃ~ん!」


ちょうど練習をしていたのか、
サッカー部のユニフォームを身につけていた。


「嬉しいな。サオリちゃん、見に来てくれたんだね」

「う…うん でも、すぐ帰るから……」


女子たちの視線を感じる。
真っ先にこっちへ来て、トオルくんのファンに睨まれそう。


「あれ…? 今日は、リョウと一緒に帰らないの?」


トオルくんは、キョロキョロと辺りを見回して
私が一人でいることを気にし始めた。


「ちょっと… あの… 
いろいろ忙しいみたいで……」

「ふぅ~ん そうなんだぁ」


すぐにまた練習に戻るのかと思ってたんだけど。
トオルくんは、その場をなかなか立ち去ろうとしなかった。

それよりか……


「リョウには、まだ告ってないの?」


…って、そっと耳元で言ってきたので、ビクッ!ってした。


「な、何でそんなこと訊くの?」

「いや、別に。何となく……」


そのとき、トオルくんを呼ぶ声が聞こえた。
その声の主は、サッカー部員の男子生徒だった。


「じゃぁ、オレ そろそろ戻るわ」


そう言って、トオルくんはグラウンドの方へ走って行った。



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