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ボーイフレンド♡~友情から恋へ発展していく物語~

第4章 ~中高生時代から大人時代~

病室へ戻ると、ユウコとトオルくんが心配して、待っててくれていた。私は、真っ先にリョウちゃんの元へ向かう。

「サオリのこと、忘れちゃったの…?」

リョウちゃんは、相変わらず 反応なしだった。
何か、悲しくなって号泣してしまった。

みんな多分、呆れ顔をして自分のこと見てる…
リョウちゃんも、”何、この子?”っていう顔してる…
今は、その場でただ泣くことしか出来なかった。



…何にも出来なかった…――

翌日、授業に集中することも出来ずに、ずっと落ち込んだ気分でいた。あの後、泣きじゃくる私をユウコとトオルくんが慰めてくれたけど。

もう、病院へ行くの止めようかな…?
そう思い始めていたとき、トオルくんに声をかけられた。

「サオリちゃん。大丈夫?」

「…うん。大丈夫じゃない…かも?」

「そ、そっか…。でも、まあ、その… 
何て言ったらいいか……」

トオルくんは、私の様子を見て困っている顔をしてた。

「ごめんね、トオルくん…。 心配させて…」

するとトオルくんは、今度は少し怒った顔を見せる。

「サオリちゃん! 前から思ってたんだけど、何で謝ったりなんかするの? サオリちゃんが、責任感じることないぜ」

そう言われて、初めて自分がトオルくんに気を遣わせていたことに気付いた。

「ほらっ! 病院の先生も言ってたじゃないか。
突然、記憶が戻ることもあるって」

そう。リョウちゃんの記憶は、「一過性」のものですぐに記憶が戻ることもあれば、このまま一生治らない場合もあるって、お医者さんが話してたっけ。

でも、もしこのまま治らなかったら……?
それだけは、絶対に考えたくないけど……



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